ごあいさつ

 「経絡治療」という名前を聴くと、「古臭い」「嘘くさい」「難しそう」という印象を抱かれる人が多いようです。ボク(支部長)も東洋医学を学ぶために鍼灸大学へ入学したのに、まったく伝統医学を信用していませんでした。 そして当然のように「経絡治療なんて…」と、色メガネで眺めていたものでした。

 鍼灸業界的には「西洋医学と東洋医学の融合」という言葉を「東洋医学を西洋医学的に理解する」と理解しがちですが、「西洋医学でできることと東洋医学でできることを合せる」ということが本当の意味。ということは、「鍼灸にもできること」ではなくて「鍼灸だからできること」のプロフェッショナルになることが大切なのだということに気付いたのです。その日から東洋医学アレルギーだったボクが、気が付けば経絡治療を学び、そして多くの方々に鍼療を喜んで頂けている。医学としてとても深淵で、多くの学びが求められると同時に、医術としてとても良く練られているとも感動するのです。

 多くの研究者によって鍼灸治療のメカニズムが調べられていますが、実際のところ鍼灸臨床がなぜ効いているのかはよく解かっていません。解かっているのであれば、誰もが同じ効果を出すことができるはずですが、残念ながらいつまで経っても「同じ結果」に至ることは難しいのです。

 「鍼と灸によるチクリとジュワァ~刺激が効くのか?」
 「適度な刺激強度が効くのか?」
 「刺激されたツボが効くのか?」
 「鍼療に介入している鍼灸師が効くのか?」

 学問は文字にすることができ、教科書という形で共有することができます。でも、技をコピーして誰かと共有することはできません。経絡治療学会は臨床鍼灸師によってレクチャーをする勉強会ですから、医学だけではなく医術も大切にしています。 医術は「証立て」「選穴」「補寫」だけではなく「接し方」「会話」「雰囲気」などの個性も反映されます。

 「経絡治療という医術を、手から手へと伝える」

 毎月第一日曜日は、伝えあい、学び合う。個性と個性が気付かせてくれる、自分に備わっていた「個性」。開業しなくてはならない理由は、私たち各々が他人とは違う個性と医術を持っているからなのです。

経絡治療学会
関西支部長  中根 一

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